理想に近いかたち

掘ってきた土石たちをテスト焼成する時に、ただの小さな円筒形では面白くないので、どうせならと、盃を作ります。
筒型のぐい呑みのようにすることもあるのですが、なんとなく気がつくと、手が自然と動いていたりします。
スルスルと碗なりにろくろを挽いて端反りにする。(時には玉縁に)
これで完成。
ではなく・・・
盃の縁を軽く指でゆがめるという、蛇足的な動作がひとつ入ります。
ゆがめる?
そう、なぜか手が動いて・・・。
また、やっちまったと思うこともしばしば。
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それぞれ、違う陶石で作った白磁鎬(しのぎ)盃です。
この盃の本歌はここでは紹介できませんが、器に詳しい人はご存じだと思います。
大変有名な骨董商の方の持ち物で、別冊太陽や、自著でもよく紹介されている初期伊万里鎬盃。
焼成中のくっつきで縁がゆがみ沓型になり、鎬のラインと相まって素晴らしいフォルムなのです。

数年前に本で見て以来、あまりのかっこよさに衝撃を受け、ちょくちょく写しを作ってきました。
小さな器ですが、理想に近いと感じたからです。
意図的に歪めているので、本歌のくっつきによる自然な歪みにはほど遠いですが、ちょとだけひょうげた雰囲気は出ているかなと思います。

ただ、テストピースがわりに盃を作りだしてからは・・・
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どんどん増えてます。それぞれ、素地や釉薬の土石が違いますが。
気のせいか理想の形からはズレてきているような・・・。まあ、それはそれでイイのかもしれません。
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by kikigama | 2012-04-13 22:52 | 吉田崇昭 記す | Comments(0)