2012年 04月 13日
理想に近いかたち
筒型のぐい呑みのようにすることもあるのですが、なんとなく気がつくと、手が自然と動いていたりします。
スルスルと碗なりにろくろを挽いて端反りにする。(時には玉縁に)
これで完成。
ではなく・・・
盃の縁を軽く指でゆがめるという、蛇足的な動作がひとつ入ります。
ゆがめる?
そう、なぜか手が動いて・・・。
また、やっちまったと思うこともしばしば。
この盃の本歌はここでは紹介できませんが、器に詳しい人はご存じだと思います。
大変有名な骨董商の方の持ち物で、別冊太陽や、自著でもよく紹介されている初期伊万里鎬盃。
焼成中のくっつきで縁がゆがみ沓型になり、鎬のラインと相まって素晴らしいフォルムなのです。
数年前に本で見て以来、あまりのかっこよさに衝撃を受け、ちょくちょく写しを作ってきました。
小さな器ですが、理想に近いと感じたからです。
意図的に歪めているので、本歌のくっつきによる自然な歪みにはほど遠いですが、ちょとだけひょうげた雰囲気は出ているかなと思います。
ただ、テストピースがわりに盃を作りだしてからは・・・
どんどん増えてます。それぞれ、素地や釉薬の土石が違いますが。
気のせいか理想の形からはズレてきているような・・・。まあ、それはそれでイイのかもしれません。
by kikigama
| 2012-04-13 22:52
| 吉田崇昭 記す
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