陶片は呟く
我が家の作業場に併設したギャラリーには、うつわを置いているのですが、片隅に陶片を展示しています。
これは、骨董屋で買ったり、人から頂いたりしたもので、自分のつくる器の世界観をわかってもらうのに丁度いいと思い置いているのです。

先日、この陶片についてお叱りを受けました。文化財の保護という視点からすると、陶片を買うことは盗掘を助長するし、勉強したいのなら資料館のようなところで見せてもらえば十分であるとのこと。
まったくもってその通りだと思います。反論の余地もありません。
盗掘などはもってのほかですし、貴重な窯跡が無残な状態になっているというのも耳にしたこもあります。

とはいえ、ガラスケース越しに見たり、手袋をはめて見せてもらうだけでは、わからないこともあるのも事実です。
お世話になってる知人にこの話をした際に、好きなひとが持っていることが自然な気がするというようなことを言われて、ホッとしました。
今も伝世する茶道具などは、茶人や数寄者たち、近代においては実業家たちの手によって戦禍の中、長い間守られてきた部分もあるのです。

ふと、手に取った陶片は、荒々しく素朴で、こう言っているようでした。
「守ってもらわんで結構。そこら辺に捨てとって」 
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初期伊万里の陶片、武雄系の古唐津の陶片。
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by kikigama | 2012-02-22 10:54 | 吉田崇昭 記す | Comments(2)
Commented by nobiru T at 2012-02-22 20:50 x
ほんとに、、、器の声が聞こえてきます。
来るべき所に来たんだから、今更、いろいろいわんといて!
ってね。
Commented by kikigama at 2012-02-22 21:25
陶片には妙にロマンを感じます。不完全さゆえの美しさみたいなもの。うつわ作りに生かせるようにがんばります。
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器と日々
by kikigama
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